1学年のポイント②〜単数と複数

1学年のポイントの2回目。

今回は、
少し難しい解説になるかもしれませんが、
「単数と複数」を見ていきます。

ポイント1 複数形って?

よく教科書では、
I like a dog.  I like dogs. 
などが出てきても、
単純に、

1つのもの・人に対して a / an +名詞
2つ・2人以上のものに対して 複数形

を用いるなどと覚えている人も多いかと思いますが、
それだけでは、
英語のニュアンスは伝わりません。

実は

単数と複数の違い

をポイントとして押さえることはとても大事なことです。

この場合一番大きな基本的なポイントは、
「英語では、一般的な話をする場合、名詞は複数形」という
部分を理解しているかどうかなんです。

日本語には複数形がない!

考えてみると、
日本語には、「複数形」がありません。
(若者たち、のように「たち」をつけて「複数」であることを強調することもできますが、「若者」でも一般的に複数を意味します。)

日本語は、
「数+名詞」の形で、複数形を表現しますし、
「数がはっきりしない、一般的なもの言う」場合は、ただ単に「名詞」で表現します。

例1 私は二匹の猫を飼っています。・・・「数+名詞」=「二匹の+猫」
例2 私は猫が好きです。・・・「一般的な猫」=「猫」

この「一般的なもの」を表現する場合、
英語では、「複数形」を用いるのです。

英語の「複数形」は「一般的なもの」を示す

英語の「複数形」の一番大きな役割は、
「一般的なもの」を示す、という点です。

ex. 1  Ken likes dogs.   ・・・ケンは、「一般的に言う」犬が好きです。
ex. 2  Teachers are busy.・・・「一般的には」先生は忙しい。

これに、少し条件をつけると
ex. 3 Ken likes some dogs. ・・・ケンは「ある種の」犬が好きです。
→ケンには好きな犬もいます。
ex. 4 Many teachers are busy.  ・・・「たくさんの」先生方は忙しい。
のような表現もできます。

・・・ここで少し some についてのお話を。

some は「いくつかの」ではない!

・some の意味は、中学校では「いくつかの」で
ほぼ間違いなく教えていると思いますが、そこもまた違います。

some は「~というのもある / いる」という意味なんです。

英語では
「複数形」だけであれば・・・一般的なこと、全体的なものを指しますが、
some +「複数形」であれば・・・その一部がそうである、というニュアンスになるのです。

ここから、「~というのもある / いる」という意味が出てきます。

ex. 5  I have four rice balls and some grapes. from New Crown 1  Lesson 4
ー4つのおにぎりとブドウもあります。
ex. 6  I see some plastic bags.     from New Crown 1  Lesson 4
ービニール袋も見えますね。

話を戻しましょう。

それでは、

ポイント2「単数」はどのように使う?

・当然、「単数」は「物や人」が1個・1人の時に使う形でしょう!
となるのですが、ここで注目することは、

英語では「単数形」をそのままで使うことはない!
必ずその前に a/an , the, one などが付くのです。

ex.1  I like cats. ・・・私は「一般的に言う」猫が好きです。

ex.2  I like a cat.・・・私は「不特定の1つの」猫が好きです。

ex.3  I like the cat.・・・私は「特定の1つの」猫が好きです。

ex.4  I like one cat.・・・私は(1つという数字を強調して)猫が好きです。

のような意味になります。

英語の名詞が、「複数形」が「一般的なもの」を示すのであれば、
単数形の前につく a/an や、the、one は
「一般的なもの」から「1つ」のもの・人に焦点化させるもの
ということになります。

それでは、さらに詳してく a/an、one、the を見てみましょう。

a/an、one と the の基本性格

※ a/an と one は同じ語源から来ている
・a/an と one は語源が同じです。そこから共通の性格があります。
その共通の性格(特徴)は、
「会話に新しい話題を投げ込む」というものです。

ex.1 I have a cat.
・・・「私」は猫を飼っていますが、そのことを新しい話題として「今初めて」言ったという状況
ex.2  One chicken is crossing the road.
・・・「一羽の鶏」が道を横切っている、ということ新しい話題として「今初めて」言ったという状況

※これと真逆の性格(特徴)を持っているのが、the
・the の特徴は、
「会話でもう既に話題に出たことを示す」というものです。

ex.3  ( I have a cat. ) The cat is very cute.
・・・上記の ex.1 からつなげるとこのような例文ができます。もう既に「話題にでました」と示しています。

この a/an、one、the の後の単数形がくると・・・

上記の例文 ex.1 ~ ex.3 を使ってお話します。

※ a/an +単数形であれば・・・
ex.1  I have a cat.
【一匹の「猫」を新しい話題として出して、その「猫」がどの猫か「相手」が1つに決められない。】

※ one +単数形であれば・・・
ex.2  One chicken is crossing the road.
【一羽の「鶏」を新しい話題として、その「鶏」が道路を横切っている唯一の鶏である。】

※ the +単数形であれば・・・
ex.3  The cat is very cute.
【一羽の「猫」がすでに話題として出ていて、その「猫」が既に特定されている<ここでは、話者の「I」が飼っている猫である。>】

まとめると

① a/an +単数形
→「会話に投げ込まれた新しい話題」で「相手」が1つに決められないもの

② one +単数形
→「会話に投げ込まれた新しい話題」で唯一・独自のもの
(「1」という数字だけを強調する場合もある。)

③ the +単数形
→「会話にすでに出た話題」で1つに特定できるもの

ということになると思います。

このように、単数形に a/an、one、the などをつけることにより
「一般的なこと」を示す「複数形」を焦点化するという役割をしているのです。

複数形と単数形のポイントを話をしている間に、
かなり細かな話になってしまいましたが、
できれば、中学校卒業するまでには、このようなニュアンスも
覚えてもらいたいと思います。

今回はここまで。

 

おまけ・・・I like cats. と I like a cat. の違い

複数形は「一般的ななもの」、a/an 単数形は『新しい話題で「相手」が1つに決められないもの』ですから、どちらもほぼ「私は猫が好きです。」という意味になります。

細かい違いを言えば・・・
I like cats.・・・「一般的な」猫が好きである。
I like a cat.・・・「新しい話題」で、「I」が好きな「猫」は頭の中にあるが、それが「会話の相手」にはわからないので1つのものに絞れない。
~という状況です。

ですから、
「会話の相手」は、I like a cat. と言われれば、その後に何らかの「猫の情報」が来るだろうと推測しているのです。

 

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