「時」を表すー過去の4回目。
過去①〜過去③までで
「過去形」「過去進行形」の基本的な特徴を
解説し、問題でも確認できたと思います。
今回は、
「助動詞の過去形」について
取り上げたいと思います。
それに伴って、
「助動詞」の基本的な特徴も簡単に解説します。
「助動詞」が表現するもの
👉「助動詞」の一番の働きは、
「頭の中での考え・気持ち」を表す装置、だということです。
中学校でよく使われる助動詞を見ると
① can「〜ができる」 ② may「〜かもしれない」 ③ must「〜しなければならない」 ④ will「〜するだろう」 |
があります。
それらをよく見ると、
① can「〜できる」は、
👉話者が「〜できる」と思っていることを表現しています。
※実際に「できるかどうか」は関係ありません
② may「〜かもしれない」は、
👉話者が「〜かもしれない」と推測していることを表現しています。
③ must「〜しなければならない」は、
👉話者が「〜しなければならない」と義務と考えていることを表現しています。
④ will「〜するだろう」は、
👉話者が「〜するだろう」と予測する気持ちを表現しています。
※このように、どれを見ても、
助動詞は、「話者の考え・気持ち」を表現する時に使われるもの
なのです。
▶︎そのため、「助動詞」を用いると「動詞は原形」となるのです。
※「動詞の原形」とは、 「現在形」でも「過去形」でもない、何も「色」がついてない 形です。つまり、「現在」や「過去」の事実を表現しない、 「中立 – これからどうなるかわからない」形なのです。 ▶︎そのため、「これからどうなるかわからない」→「頭の中で の考え・気持ち」を表現する「助動詞」と強力なタッグを組むのです。 ◎ちなみ、「命令文」で、「動詞の原形」を用いるのも、 「命令」はするけど、その時点では、「どうなるかわからない」ので、「色がつかない」原形が出てくるのです。 |
「助動詞」の過去形が表現するもの
👉さて、それでは、
この助動詞が過去形になると、
どのようなニュアンスをもつのでしょうか。
👉英語における「過去形」を用いる時の1番のポイントは
話をしている「現時点」との<距離感>があることです。
▶︎この<距離感>が、
相手との適度な距離感を持った、「丁寧な表現」へと
つながっていくのです。
中学校での表現の中では、
① Would you 動詞の原形 〜?
「〜していただけませんか。」
( Will you 〜? より丁寧な依頼)
② Would you like +名詞?
「〜はいかがですか。」
(食べ物などを勧める丁寧な言い方)
③ I would like +名詞.
「〜をいただきたい。」
(食べ物などの希望を伝える丁寧な言い方)
④ I would like to 動詞の原形〜.
「〜したいものだ。」
( I want to 動詞の原形 〜. より丁寧な言い方)
⑤ Could you 動詞の原形 〜?
「〜していただけませんか。」
( Can you 〜?より丁寧な依頼)
などが、教科書で扱われています。
どれも過去形が持つ距離感が、「丁寧さ」を
生み出しています。
なお、これとは別に
「時制の一致」というルールから、助動詞が過去形になる場合もあります。
時制の一致とは
できるだけ、
要点だけで説明します。
👉「時制の一致」というルールは、
I think (that) he is a doctor. のように、
▶︎”「〜」ということを私は知っている”
と「〜」の部分に「知っている内容」が文の形で入る時に
生じるルールです。
◎ I think 〜 のこの最初の部分が、文全体の主語と動詞なので、
「主節」と言います。( I think )
◎ I think の後ろの「[思っている]具体的な主語、動詞を伴う内容」を
「従属節」と言います。( (that) he is a doctor)
👉このような場合、
主節が「過去形」であれば、
従属節も「過去」のことであると判断し、動詞が「過去形」になります。
このように、従属節の「時制(時)」が、主節と一致することを、
時制の一致と呼びます。
▶︎この「時制の一致」というルールで、例えば、
Taro says that he will play tennis.
👇過去の文にすると
Taro said that he would play tennis. と
– 主節の says が 過去形の said となると
– 従属節の will が過去形の would となります。
このように、「時制の一致」というルールで、
助動詞が、自動的に「過去形」になる場合もあります。
それでは、
今回の問題に挑戦しましょう。
今回の5問です。
①〜⑤のような状況の時、あなたは英語でどのように言いますか。
( ) 内の単語を必ず用いて英語にしなさい。
①Tim があなたに会い来て、あなたがTimに飲み物を勧めます。
You:( would, like, something )?
Tim:I’d like a cup of coffee.
②あなたは電車に乗って、座っています。ある高齢の外国人が電車に
乗ってきて、ちょうど席がないので立っています。あなたが席を勧めます。
You:( could, sit )?
Man:Thank you. How kind you are!
③あなたはアメリカに着いて、地図を持って友達がいる図書館への道を
近くにいるある男の人に聞こうとします。
You:( could, the library)?
Man:Well, go down this street, turn right at the post office…..
④あなたは留学生のBeth に夕食に招きたいと思っています。
You: ( would, like, come, for dinner)?
Beth:Oh, thank you. I’d like to.
⑤友達のEmily とお話をしていたのですが、彼女が速く話すので、
内容がわからずあなたは困っています。
You:( could, slowly)?
Emily:I’m sorry.
解答・解説は次のページで。
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